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願い事の後に住所も心の中で唱えるのも初耳だ。
「そうだね……」
またまた人生の先輩ヅラをしておきながら
(何にも知らないんだな、俺……。
はなより2歳も歳上なのに、春から社会人になるのに)
一般的な常識を知らない自分にガッカリするし、また……
(まぁ、これからたくさん知っていこう。はなから聞いた内容や教わった内容は大事に記憶して、これからの人生に生かしていくんだ)
知らなかったのは仕方ない。でもその分、覚えて吸収する事は出来る。
(去年はなと出会えた感謝を言おう……そして、はなと交わした内容を忘れずに大事にしよう)
世界平和や健康を願うのも良いけれど、初めて神に願う今日のこの時は自分とはなのこれからについての希望を述べ決意を高めようって思った。
「私達の番がきたね」
「うん」
俺達はお賽銭を投げ入れ、大きな鈴を鳴らして……
それから…………
静かに、心の中で願った。
それが、巡り巡って最愛の人の幸せに繋がるだろう……
きっと、そうなるのだという希望を込めて。
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