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★華子side★
あおくんとの初詣は、あっという間に終わってしまった。
神社をあとにした私達は、足早に駅まで向かう。
(あっという間のデート……寂しいなぁ)
今日この時間しか取れなかったのは完全に私のせい。
三が日はコンビニバイトで忙しくしていたし、この後は新幹線に乗って実家帰って冬休み最終日は地元で「二十歳を祝う会」いわゆる成人式が開催される。
こっちに戻ったらすぐに大学やバイトと通常通りの生活がスタートするし、次にあおくんと会うのはまた1週間後となってしまうんだ。
「良い初詣になったね、はな♡」
それなのにあおくんはニコニコ顔を私に見せ、明るい声で話しかけてくれる。
「うん……今日のデートがこれだけだったのが申し訳ないし、しかも次会うの1週間もあとになっちゃってごめんね」
あおくんだって、私と同じく寂しいはずだ。だからつい「申し訳ない」なんて言葉が出ちゃったんだけど
「はなの振袖姿、絶対に可愛いと思うし似合うと思うんだ! だからスマホでいっぱい画像撮って送ってよ!」
「えっ?」
「その画像を見るのを、この1週間楽しみにしてるから」
私のネガティブな「申し訳ない」を跳ね返すくらいのポジティブ笑顔をあおくんはしてくれて
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