Chapter:1 出会い

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(ヤバい……なんとかしてやらないと)  俺がオロオロしているうちに男達は女の子の腰やお尻を触り、グイッと引き寄せて俺とは対角方向の隅へと連れて行こうとしている。 (店はあの子しか居ないのかな? もし誰か居るのなら教えてやらないと!!)  真っ先に女の子のところへ行って助けてやりたい……けど、俺には腕力がないし二対一じゃ部が悪すぎる。  そしてこれはコンビニの敷地内で従業員の身に起こっているのだから、まずは店に報告しないといけない。    男として情けないしせこいような気もするけど、俺は男達に気付かれないように店の中に入り…… 「あのっ! すみませんっ!! 誰か居ませんか?!」  店舗内を歩き回って他の従業員に呼び掛けてみた。 「あれっ? はなちゃん、居ない?」  するとすぐにスタッフルームから中年の女性がのんびりとした声を発しながら出てきたから、俺はすぐに駆け寄って 「早く外へ行って下さいっ! 三つ編みの女の子が今、2人の男に絡まれてて……それでっ!!」  唇を震わせながら目にした事を説明し 「えっ……」  血相を変えた中年女性と一緒に、外へと駆け出した。
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