第11話 ヘルメスと美少年達

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第11話 ヘルメスと美少年達

第11話「ヘルメスと美少年達」 約1万人収容の会場でのライブ動員を満員にすること。 それもライブのチャンスは1回限りーーー マスターから通告された彼らのゴール達成条件、それはあまりに大きな試練といえるものだった。 もう一つ、マスターから言われたことがあった。 「君達、話し合ってリーダーを決めておくように」 B-PROJECTのリーダーを決めるようにとの命令だった。 「やっぱり、ガニュメデスが良いんじゃないかな!一番落ち着いてて頼りになるし」 ヒュアキントスは真っ先にそう言った。 「いや、僕は、ヒュアキントスが良いと思う」 だがガニュメデスは冷静にそう答えた。 「え!?僕??」 「うん。さっきだって、みんなを鼓舞してたしね。君はまとめ役に一番向いてると思うんだ。ナルキッソスのことも君が頑張って心を開かせたからね」 「別に僕はお前たちに心を開いたつもりはない」 ナルキッソスは反論したが、それを無視してアドニスも発言した。 「俺もそう思う。ヒュア、お前がリーダー役がいいと思うぜ」 「ふん、僕もそう思う」 アドニスとナルキッソスも同意した。 「え、えええ~!でも、みんながそう言ってくれるなら、僕やるよ!頼りないかもしれないけどよろしくね!!」 e825fc7f-5f6a-44ff-98e0-ff7e553ca6b3 (良かった、面倒なことを押し付けられて………) 他の3人は同時にそう心の中で呟いていた。 こうして美少年たちの話し合いにより、リーダーが決まったのであるーーー *** それからというものの、彼らは毎日レッスンに励みながら並行して宣伝活動を行ったり、SNSを使ってファンとの交流を図ったりと地道な努力を積み重ねた。 彼らのデビューライブはなかなかの反響があり、天界でもトップクラスの美少年達の唐突な出現と、天界で馴染みがない地球由来の『アイドル』というジャンルへの興味関心も相まってシリウスでは話題になりつつあった。 しかし、アイドルという概念がない天界ではまだまだ発展途上であったので、なかなか思うようにはいかないのが現実だった。 ーーそんなある日。 彼らの歌のレッスンを請け負っているアポロンは、レッスン後にある神を紹介した。
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