第13話 美の女神アフロディーテ

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第13話 美の女神アフロディーテ

第13話「美の女神アフロディーテ」 『君のスポンサーになりたい』 突然自分の前に現れた西風の神ゼピュロスからそう告げられたヒュアキントスは困惑したーーーー しかし、彼の答えは決まっていた。断る理由などないのだから。 せっかくなのでゼピュロスに、スポンサー探しの件について話を聞いてもらうことになった。 「・・・・・・なるほどね」 ゼピュロスはヒュアキントスから話を聞いて頷いた。 1cec3e58-6cbf-44e6-8c6d-458fa08cc557 「そうか、それは大変だったね……。オーディションというのはね、正攻法ではなかなか難しいのが実情なんだ。企業だって、大手の事務所やタレントを優遇したいんだよ。小さな事務所だと資金面でも人材面でも余裕がないことが多いんだ」 「なるほど……」 (確かにそうかもしれない……) 「君のような特別に美しい少年なら引手あまたになりそうだけどね」 ゼピュロスは気障っぽくそう言った。 (美しいって言われるのはちょっと照れるな……) ヒュアキントスの頬が少し赤くなった。 それを見てゼピュロスは微笑ましそうに笑った。 fc63ecac-e543-4614-999b-d7584dd5aba9 「他の企業に取られてしまう前に、私が君を直接スカウトしたいと思ったんだ。私は主神に次ぐ高位の神だ。代表として権限を持っているから安心してほしい」 「あ…ありがとうございます!!」 ゼピュロスと別れて、ヒュアキントスは帰路についた。 (まさかこんなに早く見つかるとは思わなかった……!嬉しい誤算だ……!でも本当に良かった……!これであと2件……!) ゼピュロスからもらった名刺を見ながら、ヒュアキントスはそう思った。 すると、ふとあることに気付いた。 (あれ……?そういえば、どうして僕のスポンサーになろうと思ったんだろう……?) なぜ彼が自分を気に入ってくれたのか、その理由がわからなかった。 *** 一方、その頃。 「確かに、彼らはスポンサー探しをしているようだ」 ゼピュロスは、ある女神にそう報告していた。 「……そう。ご報告ありがとう」 その女神は、携帯端末の画面を見つめながらそう言った。 その画面には、アドニスの姿が映っていたーーー
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