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「マジかよ!お前、スポンサー見つけたの!?」
翌日、ヒュアキントスが美少年達に昨日のことを話すとアドニスは驚いていた。
ナルキッソスだけは興味なさそうにしていた。相変わらず何を考えているのかわからない少年である。
「すげー!大企業じゃん!」
「良かったね。スカウトも立派な成果だよ」
ガニュメデスも素直に称賛した。
「………………」
ナルキッソスはずっと無言で鏡を眺めていた。
(………。ねえ、アドニス。ナルキッソスのことなんだけど…。彼、大丈夫なのかな?彼には難しくないかなあ…)
(うーーん…。あいつコミュ力が致命的に低いからなぁ。スポンサーって忖度も必要だろうし)
(やっぱりそうだよね……心配だな……)
そんな会話をテレパシーで交わしながら、二人はナルキッソスの方を見たのだったーーー
「ナル、お前も何かいい案ないのか?」
ナルキッソスは相変わらず黙っていたので、アドニスが彼に話しかけた。
だがやはり反応はなかった。
「ねえナルキッソス、大丈夫?大変だと思うけど…」
ヒュアキントスは心配そうに優しく声をかけた。
「ふん。お前こそ他人の心配してる余裕があるのか?たまたま1件見つかったからって浮かれてるんじゃないだろうな?」
ナルキッソスは突っぱねてそう返した。
「う………」
(ほんと、心配してる余裕ないな…)
ーーその後も彼らのスポンサー探しは続いていた。
だが数日後のことだった。
(おいマジかよ…こんな美人見たことない…)
アドニスはとんでもない美女を目の前にして、衝撃を受けていた。
彼女は、とても美しかった。
長い金髪、白い肌、翠緑の瞳、高い鼻、ふっくらとした唇、細い顎、豊満な胸、くびれた腰、すらりと伸びた手足、細く引き締まったウエスト、形の良いヒップ、長くしなやかな脚、そして抜群のプロモーション。
まさに絶世の美女であった。
アドニスは彼女の美しさに圧倒されたのだ。
その美女は微笑んで話しかけてきた。
「こんにちは」
彼女が微笑むだけで周りがキラキラと輝いているように感じた。
あまりの眩しさに目が眩みそうだった。
「ごめんなさいね、突然貴方を訪ねて。私の名前はアフロディーテです」
(は………?アフロディーテって…オリンポス12神の!?)
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