第1話 2人の植物神

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その後、契約や今後についてなど簡易的な説明があり、後日改めて契約を交わすことや、これからは天界アイドルプロジェクトで活動する仲間として、4人で共同生活を送ることを宣告された。 この日はひとまず解散となった。 「君、ナルキッソスっていう名前なんだね。これからよろしくね」 ヒュアキントスはまだ挨拶もしてなかったナルキッソスに、笑顔でそう話しかけて握手を求めた。 「…………」 だがナルキッソスは一瞥して、それを無視し、何も言わず部屋を去っていった。 7384e868-3536-47e7-b748-8aebf2039545 「え、あれ??」 無視されてしまったヒュアキントスは戸惑ったが、(人見知りなのかなあ…)と深く考えなかった。 「なんだ、あいつ」 アドニスは怪訝そうに呟いた。 ーーそして、冒頭へと戻る。 ヒュアキントスとアドニスは突然の展開に戸惑いながらも、二人で改めて再会を喜び合い、話に花を咲かせていた。 彼らは1万3千年前に古代アトランティス大陸が水没するまで、地球人を助けていた植物神仲間だった。 そして彼らは死んだと思っていたが、1万3千年の時を経て、宇宙の太陽系銀河にある惑星「シリウス」で同じ時期に目を覚ましたのだった。 なぜ自分たちが生きているのか、どうやってここまできたのかは全く分からなかったが、とにかくこうしてシリウスで再び会えたことに歓喜していた。 だが・・・ 「君も、僕と同じ願い事を叶えるために、今日ここに来たんだよね」 ヒュアキントスは深刻な顔でそうアドニスに尋ねた。 「……ああ。失った神格を取り戻すためにな。そうじゃないと…」 「……。そうだね、何としても神格を取り戻さないと。そのチャンスをもらえるなら、どんなことだってするよ」 「………………。なぁ、お前も覚えてるんだよな?………あの時地球で起きたあのこと……」 22de34ab-aed5-4575-b11f-d66d8dacb532 「…そうだね。……………忘れられないよ」 ヒュアキントスは悲しそうに目を伏せた。 それを見たアドニスの表情にも深い悲しみが浮かんでいた。 その二人の様子はまるで懺悔をしているかのようだった。 その様子を、ガニュメデスは離れたところで黙って見ていた。 第2話に続く・・・
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