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初盆を終えて、おばあちゃんとお母さん達は、これからについて話し合っていた。おばあちゃん一人になっちゃったから、一瞬に住もうって。
でも、おばあちゃんは頷かなかった。
「あんたらの住んどる所は窮屈で好かん。ここには友達もおるし、寂しくなんてないから行かん」
お父さんもお母さんも今まで何回も説得したけど、おばあちゃんはますます頑固になっていったらしい。
おばあちゃんを一人で生活させるのは心配だけど、かと言って、お父さんもお母さんも仕事がある。
だからおばあちゃんの家に住むわけにもいかない。
平行線のままの話し合いに、おばあちゃんがため息をつく。
「どうにもならん。あんたらも仕事があるからこっちには住めんし、私もここを離れるのは嫌だわ。諦めやぁ」
お母さん達もため息をついた。
「まあ、今はまだ元気だしねぇ。もう少しこのまま様子みる?」
お母さんが妥協案を出したその時、ふと思いついた。
「ねえ、私は?」
私の言葉にみんなが一斉にこっちを向く。
「は?」
「だから、私! 今中学三年で、来年は高校生。こっちの高校受験して、私がおばあちゃんと一緒に住むの」
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