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我ながら、いいアイデア!
そうしたらおばあちゃんは一人にならないし、お父さんもお母さんも仕事辞めたりとか考えなくていいもん。
「ちょ、ちょっと瑠璃? あなた簡単に言うけど、そうしたらあなたお友達と離れることになるのよ」
「んー、でも仲良しのミナとはもともと違う高校志望だし、別に一生会えないわけじゃないし。会えなくてもSNSで連絡は取れるし。そう考えたら別に離れても平気かなって」
「でもお母さんたちとは離れるのよ。あなたさみしくないの?」
えー……そこ?
「そりゃ、お母さんたちと離れるのはさみしいけど。今までおばあちゃんに会いにきたみたいに、年に二回は会えるわけじゃない」
「そうだけど、でもあなたの歳でお母さんと離れちゃうなんて……」
お母さんはちょっと不満げに私を見るけど、この提案が比較的現実味があると考え始めてるみたい。お母さんだって、おばあちゃんを一人にしておきたくないんだ。
おばあちゃんの家は少し郊外にある。
駅までは遠いし車がないと、不便な場所。今はまだおばあちゃん運転出来るけど、万が一できなくなったら大変。まぁ、正直そうなったときには私が出来る事なんてないかもしれないけど。運転なんて出来ないしね。
でも、もし知らない間に今度はおばあちゃんが倒れたら……そう考えると怖くてたまらない。
特に持病があるわけじゃないし、今は元気だけど。
それ言ったらおじいちゃんだって元気だったし、まだそんなに年じゃなかった。でも、あっという間に死んじゃった。
「私、おばあちゃんと、ここに住みたい」
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