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お父さんとお母さんは顔を見合わせて、やがてあきらめるように息をはいた。
「誰に似たのかしらね? その頑固さは」
「え? じゃあ、許してくれるの?」
「まだ決定じゃないわ。少し考えさせて」
お母さんの言葉を受けて、おばあちゃんの方を見ると、お母さんとそっくりな苦笑いをしていた。
「瑠璃。あんたの気持ちは嬉しいけど、無理してこっちに来んでもいいんだよ。あんたにはあんたの人生があるんだから。おばあちゃんのこと心配してくれるのは嬉しいけど、あんたの大事な進路をおばあちゃんのせいで諦めたらいかんよ」
おばあちゃんの私を思う声に、首を横に振る。
「おばあちゃん。無理じゃないんだよ。私がおばあちゃんと一緒にいたいの。だめかな?」
「駄目じゃないけど、ここはお母さんの言う通り一回ちゃんと考えて、話し合って決めてきぃ。それでも来るって言うならおばあちゃんは待っとるから」
私の肩をぽんぽん、とおばあちゃんが叩く。私の中ではもう迷いはなかったので、笑顔でおばあちゃんに頷いた。
結論から言えば私の粘り勝ち。
はれてこの四月から、おばあちゃんと一緒に住む事になった。
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