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「もう1軒行く?」
飲み会が開いた後、絡まってくる女の子達を振り払って、フミはマサヤの所に来てくれた。
「え?いいの?」
マサヤは、女の子達を振り返る。
「いいの!走れ!マサヤ!」
女の子達から逃げるようにフミは、マサヤの手を取って走り出した。
慣れない酒で頭がグルグル回ったたけれど、それよりも嬉しさで胸がいっぱいになってゆく。
フミに引っ張られて暫く走り、雑踏の中で手を膝について、はぁはぁと息を整えた。
「きっつ!酔い回ったぁ」
フミは、そう言ってマサヤを見て笑う。
髪はボサボサで、酔いで顔も赤い。シャツの襟も乱れて普通ならかっこ悪いはずなのに、フミはカッコよくていい匂いがした。
マサヤは、同じようにハァハァと息を整えながら、もうフミのことが大好きになっていた。
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