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しばらくすると、向こう側から黒色の大きな車がこちらにやって来た。
運転席から手を振る人影が見えたので、目の悪いわたしでも、それが彼の車だということがわかった。
車を停め、後部座席から荷物を取り、こちらに歩いてくる。
6年ぶりに会う彼は、風貌も雰囲気も、以前と変わらない様子だった。
「〇〇さん、お久しぶりです」
「また会えるなんて、正直思っていなかったです。お忙しい中お時間作っていただき、ありがとうございます」
プロジェクトがうまくいくかということも、もちろん考えていたが、それ以上に彼の動向が気になっていた。
この6年間
彼はどのように生きて、何を感じ、そしてどんな今を生きているのか…
聞きたいことが、山のように浮かび上がってきた。
頭の中ではこのような空想を繰り広げながらも、表に出さないことがわたしの強み。
プロジェクトの詳細を話しながら、建物の中へと歩みを進めた。
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