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彼が到着すると、すぐに懇親会が開かれた。
お鍋を用意してみんなで囲むという、アットホームな会だ。
地域の方々も参加し、賑やかな夕食となった。
元々、コミュニケーション能力が高めのわたしと彼は、その時にはもう普通に会話できるようになっていた。
6年ぶりに再会したということを伝えると、「え。嘘でしょ?」と驚かれるほど。
会話のテンポの良さに、わたしは心地よささえ感じていた。
懇親会がお開きになり、地域の方々はそれぞれの家に帰って行った。
わたしと彼はというと、その中の一人が営む宿に滞在することになっていた。
そこは一棟貸しの宿であったが、寝室は同室という造りになっていた。
異性と同室で寝るということはわたしの中では珍しくないことだったので、特に気に留めることもなかったが…。
彼が既婚者だということを思い出し、さすがにまずいかなと思ったわたしは、事前にそのことを知らせていた。
断られたら別の宿泊先を用意しようと思い、新しい宿泊先を探し始めたところに
「大丈夫ですよ」と、彼からのメッセージが届いた。
「え。いいのか?」と、内心思いながらも、それぞれの家庭の方針に口を出す必要もないので、「わかりました。ありがとうございます」とだけ返信し、当日を迎えていた。
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