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目的地に到着して、それぞれの任務についた。
休憩に入ったところで、プロジェクトリーダーから声を掛けられた。
何事かと思ってついていくと、送迎のお礼を告げられた。
それと同時に、彼は既婚者で子どもがいるということを知った。
この時、わたしの中で彼に対する恋愛感情は一切なかったので、特に気にすることもなく…
「同い年で、自分のやりたいことをやって、それで家庭も築いているってすごいな」とただ純粋に思った。
激動の一日を終え、1時間の道のりを帰っていく。
行きと同じく、取り留めのない話をした。
彼の口から、家庭の話が出ることはなかった。
去り際に、社交辞令のような形で連絡先の交換をした。
「ありがとうございました」
「お気をつけて」
彼はニコっと笑って一礼し、駅の方へと歩いていった。
それから六年間
わたしと彼が会うことはなかった。
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