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俺は夜の街を自転車で爆走していた。
家へ帰り、ビールを一缶呷ってからだ。立派な飲酒運転。だけどそんなのも、俺の人生もとうの昔にどうでもよくなっている。
だってこの世界はつまらない。
応援してくれる人もいなければ、努力が一向に報われることもない。
ニュースを見ていると毎日誰か捕まっているのに、俺にはまだ会いに来ない。いいことをしても褒められにくいこの世の中で、悪いことをしても気がついてもらえないなんて、割に合わないじゃないか。
会社もとっくに辞めた。もういくつ仕事を転々としているかなんて覚えていない。
たった1つの願いだけを胸に抱いて奔走しているのに、なぜ気がついてくれないんだ! 俺はちゃんと生きているよな? もしかして俺って世の中から見えていないのか?
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