ひとりぼっちのクリスマス

クリスマスは、一年で一番、残酷な日だと思う。

クリスマスは、家族で過ごす日だなんて。

神さまは、一人っきりの僕らのことを考えてくれていない。

みんなが、楽しそうに、クリスマスを迎える。

クリスマスツリーを飾り、プレゼントを贈り合う。

僕には、そんな人はいない。

悲しくて、一人分のケーキを買って、家で一人で食べるんだ。

寂しくて、ベランダへ出ると、家々のあたたかい灯りが見える。

僕は、一人っきりなんだと思い知る。

でもね。

僕みたいな人は、世界中にたくさんいると思うんだ。

一人っきりで、クリスマスを過ごすみんな、

星空を見上げて。

今、一人っきりだと悲しんでいるみんなが、星を見上げているよ。

サンタクロースが、プレゼントをくれなくても、

世界中の、僕みたいな人たちの想いが、星に乗って通い合えば、

それが、何よりも素敵なクリスマスプレゼントさ。

だから、

悲しくなんてない。

世界中の僕へ。

メリー・クリスマス。

END