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魅力
何度負けても挑み続け、最後の最後でライバルに勝利する。
そんなテンポイントのファンは多かった。
赤鉛筆耳に挟んだ競馬オヤジしかいないというのが当時の競馬のイメージだったが、負け続ける姿を自分に照らし合わせて、応援する青少年からの沢山のファンレターがテンポイント陣営に届けられた。
テンポイントの死によってハンデの在り方が見直された、いつだって大きな組織というのは大事な何かを失ってから初めて腰を上げる。
テンポイントは競馬にはドラマがあると教えてくれた先駆けの一頭であった。
約40年前の欧米からはるかに遅れた日本競馬の中の、しかもライバルに負け続けた馬なのに
「テンポイントは最強だった!」
と主張するオールドファンは珍しくない。
だけどそんなオールドファンを馬鹿にする気にはなれない。
それもまたテンポイントの魅力の1つなのだろう。
―完―
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