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マッチレース
年末、1年の総決算グランプリレースの有馬記念。
40年以上も前のこのレースが未だに競馬史上最高のレースと評価するファンは多い、そんな伝説のレースのゲートが開いた。
ゲート開くと同時にトウショウボーイとテンポイントが2頭揃って先頭にたった。
そしてテレビカメラも、競馬実況者も、そのままゴールまでこの2頭しか追わなかった。
競馬はギャンブルである。
全ての馬に馬券というお金が絡んでいる、だから全ての出走馬がどのような走りをしているか、実況し映さなければならない。
しかしテレビにはトウショウボーイとテンポイントしか映らなかった。
まるで2頭だけで有馬記念を走っているようだった。
残りの馬はみんな脇役にすらなれない。
スタートしてからゴールまでの2500メートル。
トウショウボーイが前に出ればテンポイントが抜き返し、テンポイントが前に出ればトウショウボーイが抜き返す一騎打ち。
抜きつ抜かれつつ火花を散らしてのデッドヒート。
そして・・・テンポイントが体半分出たところがゴールだった。
ついに、ついにテンポイントがトウショウボーイを倒し、同時にグランプリのタイトルを獲得。
ようやく、たった一度だが勝つことが出来た。
対戦成績はトウショウボーイの圧勝だが、この1勝は全ての関西競馬ファンを歓喜に酔わせたのだった。
この年テンポイントは2つのビッグタイトル獲得を評価され満場一致で年度代表馬に選出された。
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