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エレベーターで最上階に上り、部屋に入ると、莉緒さんの言った通り広くて装飾も綺羅びやかな部屋だった。
「さてと、メイクの講義は後でするとして――先にエッチ関係のことしてしまおうか。私、先にシャワー浴びてバスタブにお湯張るから後から入ってきて」
これからすることを業務的にサバサバと告げられると、幾分緊張が削がれて『ホッ』とする。
私は莉緒さんがシャワーを浴び終わった頃を見計らい、浴室横の脱衣スペースで服を脱ぎ、下着を取った。
「莉緒さん、失礼します」湯気越しにバスタブに浸かる莉緒さんの姿が見えた。
「愛莉亜、シャワー浴びたらこっちにいらっしゃっい」
莉緒さんに促されシャワーを浴びる。少し熱めのシャワーが肌を火照らせる。
「そちらに失礼していいですか?」シャワーを止めると莉緒さんが「どうぞ、入って」と招く。
「ここに入って、座って」莉緒さんが両膝を開いてくれたので、背を向けてジャグジーで泡立つバスタブに浸かった。肩まで浸かると、2人分の体がバスタブからお湯を押し出し、溢れだす。
莉緒さんの体に触れると、お湯の温かさに莉緒さんの温もりが加わったように、私の体を熱くした……。
不意に私の胸が下から持ち上がり、湯船から白い膨らみが顔を覗かせた。見ると莉緒さんの手が乳房を支え、その手に力が入るのが分かる。
「怖くない?大丈夫?」耳許で囁く莉緒さんの声はいつもより、甘く熱く聞こえる。どうして……なのかな。
きっと、囁きと共に漏れる吐息の所為だ……。そう思ったら、体がどことなく疼いてくるのを感じる。
「愛莉亜、素直に反応していいのよ。自分の愛撫が相手を悦ばせている……。そう思わせたら、相手はもっと貴女に惹かれていくわ」
莉緒さんは胸への愛撫を続けながら、下半身――腰の辺りを後ろから押し付けてきた。
「えっ?」何か違和感を感じて思わず声を上げてしまったが、落ち着いて腰の辺りに神経を集中すると……。
「わぁっ!?あ、あの莉緒さん!後ろに何かが当たってるんですが?」
「分かっちゃった?あん、あまり強く押し付けると硬くなるわ」
そう、私の腰に当たっていたのは、紛れもなく男性のアレだった。
「……莉緒さん、これ本物……ですか?」
「ふふ、本物よ。私のね」
やっぱり。事務所で話をした時、ベッドに入るとなると、自分には『別れさせ屋』をすることは出来ないと――莉緒さんは言った。その訳はこれだったんだ。
「……でも、どうして黙っていたんですか?」
「愛莉亜は私の本当を知って……どう?受け入れられない?嫌いになった?」
「いえ、莉緒さんは莉緒さんです。綺麗で優しくて、でも毅然としていて……好きですし、信頼出来る人です」
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