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『お願い……もっと……して。逝かせて……お願い』声に出してしまいたい、そんな思いで莉緒さんの指に責め立てられる股間を見詰める。
「……もう限界かしら?愛莉亜……逝かせてあげる」吐息混じりの甘い囁きが鼓膜を刺激する。
それと同時に、蜜壷の奥まで2本の指が押し込まれ、内壁を刺激しながら激しくピストンを始めた。
胸への愛撫も激しくなり、左手で左右の乳房を交互に揉み拉かれたかと思うと指先で乳首を弄んでは、きつく摘まんでくる。
「あ、ああぁ……あんっ!……そこ、すごく……いい」
性的快感を覚える全てを支配された体は、僅かに痙攣しながらも与えられた快楽を貪るように熱くなっていく。
そんな私の反応を見取った莉緒さんの責めは一層激しくなり、私を絶頂へと導く。
「あ、ダメ……ダメ……莉緒さぁん、逝く、逝くぅ……あんっ、逝っちゃう……ああ、い、逝くぅ……」
足の指先から頭の中まで、今まで経験したことのない快感が突き抜けて絶頂に達し――そして逝き果てた。
『莉緒さんて、すごい。こんなになったのって――初めて』ぐったりとして力の入らない体を莉緒さんに預けると、先刻までの激しい情事が嘘のようにバスルームは静まり返った。ジャグジーの泡立つ音だけがそこに響いて、それが私達の情事の名残りを感じさせる。
不意に莉緒さんが後ろからハグした。そして頭を1つポン、と優しく撫でるように叩いた。
「愛莉亜、合格ーっ!いや、可愛かったわ」
先刻までの艶かしい声とは打って変わって、底抜けに明るくカラカラ笑うものだから、私はキョトンとして振り返った。
「……合格って?」
「ん?どうしたの?だから、合格よ。受け身はめっちゃ可愛かった。いい喘ぎっ振りよ」
「あ、ありがとう……ございます」今の私はまだこの状況を掴みきれずにいた。
「でも私、ただ莉緒さんに抱かれていただけですよ」
「それがいいのよ。男が思わずもっと責めたくなって……手放したくなくなるみたいな。ふふ、私の男の部分がそう言ってるんだなぁ」
「そんなものなんでしょうか……?私、そこまでの経験がないっていうか」
「考えてみなさい。自分が気持ちよくさせようと、あれこれしてるのに反応なかったら……萎えるでしょ?それじゃ相手を虜に出来ない。虜にしなかったら、依頼人と別れる気にさせることも出来ない。分かるでしょ?」
「……はい、まあ確かに……そう、ですね」
話としては分かるんだけど、報酬を得る為の仕事として自分があんなことをしていけるのか――と考えると、今だ不安は拭いきれない。
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