レッスン

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「……分かってくれたら、今度は私を責めてみて。愛莉亜が今、出来る範囲で構わないから。但し、私を本気で逝かせるつもりでね。こうしたら、ああしたらとかは、してる途中でリードするから」 私の不安などはさておきとばかりに、莉緒さんは次の能力確認(スキルチェック)へと駒を進めていく。 バスタブの中で戸惑う私の手を取り、立ち上がると顔を寄せて「続きはベッドで……」そう言った莉緒さんは唇を重ねてきた。 「んふっ……」莉緒さんの薄い唇が、それとは質感の異なる、ぷっくりとした私の唇を覆った。 唇を重ねると『絡めて……』と言わんばかりに、開いた唇の間から舌がぬるりとした感触と共に差し込まれる。 求められるままに莉緒さんのそれに自分の舌を絡めると、互いの唾液が舌先で混ざり合い、ねっとりとした厭らしい音が唇から溢れた。 たった今、一区切り着いたばかりの情事と次なる情事を余熱で繋ぐようなキスと抱擁はより深くより激しくなっていく。 そうやって互いに次なる情事への余熱が高まったのを確かめ合うと、どちらからともなくキスと抱擁に終止符を記し見詰め合う。 「さぁ、行きましょ」莉緒さんは、自分の体をバスタオルで巻き、私の肩にもバスタオルを掛けて優しく肩に手を回すと、ベッドへと導く。 ベッドの上に横たわった莉緒さんが、体に巻いたバスタオルを取ると、その下から(しな)やかな筋肉を纏った裸体が現れた。 筋肉と言っても、硬そうな隆々としたものではなく、柔らかく弾力のありそうなそれは、見る者に美しさと艶かしさを感じさせるに足るものがある。 『綺麗な体だな……』男性とも女性とも違う、のない体は1つの美術品の様だった。 「私の体、そんなに見詰めて……ああ、そうね。初めてだものね」 「ごめんなさい。変な意味はなくて……綺麗だなって思ったので」 「いいのよ、気にしなくて。愛莉亜にそう言ってもらえて嬉しいわ」 優しい微笑みを浮かべながら、差し出された手に自分の手を重ねると、莉緒さんはグッと私の体を引き寄せた。 「私を……感じさせて。貴女の技術(テクニック)(ボディ)、それとその魅力で」 感じさせるとか、逝かせるとか、そんなこと出来る自信なんてない……。でも、莉緒さんの、この綺麗な体に触れてみたい……そう思うくらい完璧な体だった。 今までそんな感情を抱いたことはない。そもそもこんな状況(シチュエーション)になったことなんてないんだから。和人と時だって、こんな感じではなかっ……たって……何で和人が出て来るのよ?自分を裏切った男との情事が頭を過ると、そういった行為自体に対しての気持ちが萎えてしまいそうだった。
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