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先輩、好きです!
そのライトブラウンに見覚えがあった。
「……」
「……」
「……ジロー?」
「え? ジロー? 俺、泉真人(いずみまこと)って言います。ええと、のあ先輩覚えてないかもしれないけど、あの、俺、あの日先輩に一目ぼ……」
「あ、ごめん。そういう話なら、聞けない」
「へ?」
目の前の明るい髪色をした男の子は目を点にして口を開けている。
「ジローに似てるな、懐かしいなと思って、呼び出しに応じたけど、そういうお話はいいです。受け付けてないです」
「え、あの、ちょ……」
私は元来た道をぽてぽて帰る。飛んでくる声には振り向かない。嘘だろー!? とか、っていうかジローって何スか?! とかなんか雑音がするけど、まぁいいや。
私はスマホを取り出してタップした。現れるゴールデンレトリバー。ライトブラウンの綺麗な毛並みが柔らかくて私は大好きだった。相棒、ジロー。享年13歳。
ぽかぽか陽気で、眠くなる午後。
絶好のお昼寝日和だなぁ。
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