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アクアの授業
次の日の始業時間に、アクアは廊下でアラゴンが来るのを待っていた。
「おはようございます、昨日はご迷惑をおかけして申し訳ありません」
アクアは丁寧に頭を下げた。
「んじゃ、講義室に行くか、ついて来い。講座名は軍事学概論だ」
アラゴンは大鎌の柄で床を叩くと、先に立って歩き出した。
講義室は階段教室になっており、学生たちがきちんと着席している。
アラゴンの恐ろしさをみんな、身に染みているからだ。
最初にアクアが入ると、一瞬ざわついた。
が、アラゴンが続けて入ると、静寂が戻り、緊張感の空気が流れた。
バンッ
アラゴンが大見えを切るように、ぐるりとにらみをかまして、大鎌の柄を床に打ち付けた。
「授業はこのアクア先生がやる。お前たち、居眠りしたら、その首をかっ切るぞ」
「やれ」
アラゴンはアクアを一瞥すると、階段を上がり一番上の椅子に、どすっと座った。
「それでは・・みなさん、講義を始めます」
アクアの声は音楽のようで、美しく流れる。
生徒たちのペンを走らせる音が、伴奏のようだ。
それは耳に心地よく響き、アラゴンは腕組みをしたまま熟睡していた。
「アラゴン先生・・・?」
アラゴンは、目を薄く開けた。
「授業が終わりましたが、解散してよろしいでしょうか?」
「ううううう・・・ふぁーー」
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