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秘書の子鬼の女の子は、白いシャツを目いっぱい開けて、胸にドラゴンのタトゥー、ぴっちりした黒レザーのタイトスカートは、太ももまでスリットが入る。
サキュバスほどの色気はないが、子鬼なりに、努力しているのはよくわかる。
「今、ご挨拶にいらしているのですが、お通ししてもよいですか?」
「はあ、めんどくせーな」
アラゴンは、余計な仕事が増えたので、額にしわを寄せて、煙草を灰皿に押し付けた。
コンコン
軽いノックの音。
「失礼します」
入ってきたのは、水のフェアリー。
腰までの長い髪は、銀色がかっているが、光の加減では薄い緑と青が
入り交じる。
雲母の破片のように、陽の光にきらめいていた。
顔は透き通るような白さだが、うりざね顔で美しい。
瞳は、きらめく宝石のブルー。
華奢で、はかなげで、着ている衣服も、青と緑が透き通るように重ねられたシフォン素材だ。
歩くと、川の水藻のようにゆらゆらとなびく。
全体に透明感があって、風がゆらぐように、存在感がないように見えた。
「初めまして、フェアリー領から参りました、
アクアと申します」
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