サキュバスの授業見学

1/5
前へ
/53ページ
次へ

サキュバスの授業見学

「おはようございます、アラゴン先生!」 アクアは頑張って、声を張り上げアラゴンの部屋に入った。 「フン」 アラゴンは軽くうなずくと、上から下までアクアを見た。 アクアは黒のパンツスーツ、薄いブルーのシャツ、黒の低めのパンプス、 紺色の大きなトートバックを持っていた。 「教材はこれだ、見ておけ」 アラゴンはポンと、書類の束を投げ出した。 アラゴンの作ったものではない。前任者の資料を、パクったものだ。 「失礼します」 アクアはその書類の束を手に取った。 奇襲攻撃について、情報戦略、防御に有利な地形とは・・・ 軍事関係の文書だ。 「アンタは、サキュバスの高等課程の授業見学があったな」 アラゴンはクイッと、あごを廊下の方に向けた。 廊下の先に、光沢のある黒のボンデージファッションを着て、革の鞭をもった、スレンダーな美女が立っていた。 胸元には、ドラゴンの紋章がタトゥーで入っている。 網タイツに赤いピンヒール、口紅も真っ赤だ。 頬にかかるストレートな黒髪が、美しい。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加