345人が本棚に入れています
本棚に追加
/166ページ
「あ、でも、私達はまだ二十歳になってないので、お酒は飲んでませんよ」
私と萌香は高校を卒業し、大学一年生になってまだ1ヶ月程。
中さんが来て泣き止んだ萌香も、私の言葉に頷いている。
「君らが飲んでなくても…」
木下さんは、言葉に詰まっている。
「つーか、本当にドンペリか?
聞いた話だと、適当なボトルをドンペリって事にして出してるみたいじゃねぇか?」
中さんの言葉に、すみませんでした、と木下さんは言う。
「最近、うちの店、ちょっと金銭的に厳しくて。
でも、今までこうやってハメた女の子に紹介した店も、風俗とかじゃなく、ガールズバーやキャバクラとかで…」
すみませんでした、と木下さんは何度も謝った。
「――ったく。
次はねぇから」
中さんは、呆れたように舌を打つ。
「あれれ、中君?現場押さえて半殺しにするって言ってたのに。
丸くなったねぇ」
「あ?」
「久しぶりに、血が見れると思ったのに」
これまた、スタイル良し顔良しの男性が、店の奥からこちらへと歩いて来た。
そして、中さんに近付いて行く。
中さんがアイドルなら、この人はモデルみたいだな?
身長は中さんと同じく180センチ以上ありそうで、中さんよりもさらに細くて。
髪の色は派手で、服装も派手。
最初のコメントを投稿しよう!