1人が本棚に入れています
本棚に追加
「もし金子君が同士だったら、語り合いたいなーって思ってたんだよ。俺の周りに同じ趣味の人いなくてさ~」
「僕としては、有栖君も二次元に興味のないヤンキーの部類だと思ってた」
「結構ストレートに言うね?」
「ごめん、本音。でも金髪似合うから良いよね」
「マジで? ありがとう。勉強会の頻度増やす?」
「どこからそうなった? イジメ? 勘違いの親切?」
「週5でいかが?」
「イジメ確定」
金子君の口数がいつもより多いのが嬉しくて、つい色々話したくなる。浮足立った今の俺は全てを許せる仏のような気分なので、金子君も今日だけはウザ絡みを許してほしい。
「勉強ついでに話し相手になってほしいんだけど、ダメ?」
「まずは週2で様子を見ようか」
「う~ん……じゃあ教室でも話しかけていい?」
「教室でそういう話はちょっと。それに有栖君目立つから絶対関わらないで」
「拒絶が強すぎない?」
金子君は相変わらず読めない表情をしているけど、心なしか声が弾んでいる。かく言う俺は、顔も声も気持ちもハッピー野郎だ。
思えば、金子君と並んで昇降口へ向かうのは、その日が初めてだった。
最初のコメントを投稿しよう!