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私は22歳の時、同じ職場の10歳年上の男と不倫して妊娠をした。
恋愛経験の浅かった私は年上の男からの甘い言葉に絆され、既婚者と分かりながらも関係を続けた。
そして半年後、妊娠。
男には何度も堕ろせと言われたが堕ろす決意が出来ず妊娠を継続した。
結局その後彼とは関係を一切絶たれ、会社にも居づらくなり退職。
残された私は一人で子供を育てる自信がなく、娘が産まれた日養子に出した。
今でも胸に抱いた自分から産まれた小さな命を忘れる事が出来ない。
私の指を握りしめる小さな手。
自分によく似た鼻と口。
温かさと幸せを感じた瞬間。
そしてそれを失った悲しさと後悔。
私はその子を桜子と名付けた。
それは一生忘れる事が出来ない特別な日。
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