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 歩道の表面を、木枯らしに押され転がる木の葉がサラサラと音を立てた。カーブミラーの交差点で経ちどまり天を仰ぐと、空を覆う雪雲の隙間から光芒が射している。光の中で照らされた、はらはらと舞う雪が光を瞬く。  僕は再びミロワールドから戻って来た。美幸の心臓の奪還。デボンとの死闘。今度ははっきりと覚えている。デボンの支配からチェチェたちは解放された。夢の様にぼやけていて、幻覚よりも鮮明で、記憶の様に曖昧で、想像よりもリアルだった。  デボンとは何なのか。あの世界は、一体なんだったのだろうか。奇妙な体験だったけど、いざとなれば、こんな僕でも恐怖に打ち勝ち立ち向かえると分かった。そして何より、美幸の気持ちを知った。  視線の先をミラーへと下げる。現実世界の、この場の交差点が映っている。勿論、そこに立っている僕が映っている。そして隣には、僕の腕に手を回し一緒に鏡を覗く美幸が映っていた。    了
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