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あるもの
ブーツには筒状にしたさっきの画用紙を入れてある。
そして、ニーナは片手に小さなサンタの帽子を持っていた。ぬいぐるみやマスコットにかぶせる用の、小さなものだ。
ニーナは「あるもの」を作り、トナカイに見せる。
ふんす、と鼻息が少し荒くなっているニーナ。
一生懸命に作ったのだろう。どや顔にトナカイも悪戯っぽく微笑んだ。
そして、トナカイも思い付き、地上からニーナの部屋――二階を見上げる。
「”それ”は、ニーナが持って行ってあげてくれますか?」
「私が! サンタさんに渡したい!」
二人、もとい一人と一頭の声が重なる。
トナカイは屈んで、その背にニーナを乗せた。
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