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サンタの家にて
ニーナとイツキはサンタの家に着いた。
辺り一面、雪とモミの木に囲まれる、人里離れたとある場所。
誰にもばれない秘密の場所に、サンタの家はある。
「イツキ!? その子、どうしたんです」
空から着地したイツキを見て、その背の存在に慌てるムツミ。
「誘拐でもしてきたのか」
冗談か本気かわかりにくい無表情でサンタが言う。
イツキは足を曲げて屈み、ニーナを降ろす。
「サンタさん……?」
よいしょ、とトナカイから降り、地面に小さな足跡を付けたニーナ。
サンタは慌てて、営業スマイルを張り付ける。
「やあ、うちのトナカイがすまないね。こんな所まで連れて来て。どうしたんだい?」
ニーナは、まるで憧れの人に会ったかのように、口をパクパクとさせて上手く喋れなくなってしまった。
ニーナは必死に首を振り、トナカイは悪くない、と身振りで伝える。
「サンタさん、あのね」
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