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若い、大人
サンタは画用紙の手紙を片手に、乱暴にブーツを地面に置く。
そして、とても無造作に、ブーツに霜焼けになった足を入れた。
サンタは思わず手に力が入り、くしゃっとその手の画用紙が音を立てた。
「これを、俺に?」
サンタは、自分でも思ったより低い声が出た。
笑顔は消えていて、少し怖い。
「こんなん……っ!」
堪えるように、歯を食いしばった。
――でも、ダメだった。
「それで、遅くなったのか?」
低い声で、サンタはイツキに確認する。
イツキは嫌な予感がして、ニーナの前に出る。
ニーナとサンタの間に入り、ニーナを庇うように立ってから、イツキはサンタの言葉に頷きを返した。
「俺は、寒いし、足は痛いしで待ってたんだよ! お絵描きしてる暇があるなら早く戻って来いよ!」
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