ニーナ

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ニーナ

その家では、少女が眠っていた。 茶髪を伸ばしており、くせっ毛なのか、ゆるふわっとした少女が微かに微笑んで眠っていた。 「良い夢でも見ているのでしょうね」 ムツミは少女を起こさないように、小声で言ってほほ笑む。 そんなムツミを無視して、サンタは黙々と仕事をこなす。 大きな袋から、少女へのプレゼントを探し出すだけでも一苦労だ。 「この子の名前は……」 「ニーナちゃんです」 「ニ、ニ……Nだよな」 名前のアルファベット順でプレゼントを管理しているため、サンタは急いで探す。 黒髪で髭は無く、瘦せ型で長身。 多くの子どもたちがイメージするサンタとは違うところが多いだろう。 何せ、このサンタは最近代替わりをして今年のクリスマスが初仕事の若いサンタなのだ。 至らないところも多ければ、段取りも悪いことだってある。 ベテラントナカイ二頭で、今日はサポートしている。 ムツミが器用に角で袋を広げ、サンタが探しやすいようにフォローした。
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