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大声で目覚め
「んー」
暗い。
クリスマス・イヴの深夜に――日付は変わったのでクリスマスの早朝とも言える――そんな時間に、ニーナは目を覚ました。
何やら、先程大きな音がしたような。
いつもの、朝のアラームが鳴ったような錯覚をしたからだ。
暗い天井。
木目がおばけのようにも見え、少し怖い。
しかし、真っ暗ではなく、窓からの月の光にほっとした。
ニーナは体を起こし、窓を見ようとすると、床が視界に入った。
大きな影が、ゆらりと揺れ、ニーナは息をのんだ。
思わずばっと窓を振り返ると、ニーナは言葉を失った。
まるで、絵本から出てきたような。
優しい目をした、トナカイが一頭、窓の外からこちらを見つめていた。
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