大声で目覚め

1/1
前へ
/23ページ
次へ

大声で目覚め

「んー」 暗い。 クリスマス・イヴの深夜に――日付は変わったのでクリスマスの早朝とも言える――そんな時間に、ニーナは目を覚ました。 何やら、先程大きな音がしたような。 いつもの、朝のアラームが鳴ったような錯覚をしたからだ。 暗い天井。 木目がおばけのようにも見え、少し怖い。 しかし、真っ暗ではなく、窓からの月の光にほっとした。 ニーナは体を起こし、窓を見ようとすると、床が視界に入った。 大きな影が、ゆらりと揺れ、ニーナは息をのんだ。 思わずばっと窓を振り返ると、ニーナは言葉を失った。 まるで、絵本から出てきたような。 優しい目をした、トナカイが一頭、窓の外からこちらを見つめていた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加