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わたし:で、姉一家と別れ、奈良に行きました。
なぎさ:唐突だなぁ。いつものことだけど。
わたし:まあ、そのまま帰るのも勿体ないからと姉には説明しました。
なぎさ:南海だの近鉄だの言われてもわかんないし。
わたし:ええ、わたしも近鉄はなじみがないです。でも、河内長野で低い山がすぐそばに迫っているのを見ただけで、関西はいいなって思いました。
なぎさ:東京はだだっ広いからねえ。
わたし:橿原神宮に着いたのはもう4時で、お参りするだけでした。
なぎさ:ふーん、来年は兎かぁ。
わたし:なぎささんは何年ですか? わたしは戌年です。
なぎさ:猫年です。
わたし:本殿の南側の深田池から金剛山地を見ています。山の向うは大阪です。
なぎさ:雪が積もって寒そうだね。
わたし:線路の反対側の久米寺に向かう所で、たくさんのカラスが集まって、賑やかに鳴いていました。
冬の枝大和路の風の雲を掻く
なぎさ:きらきらー。
わたし:大日如来像ですね。新しいです。
なぎさ:このデザインなんか見覚えがある。
わたし:多宝塔です。ここは真言宗のお寺で、空海が修行したようですから、高野山の多宝塔に似てるのも不思議じゃないです。
その夜は、橿原神宮前駅から5駅ほどの笠縫駅から約10分歩いて、快活クラブに泊りました。
なぎさ:おつかれー。翌日はゆっくり……しないよねー。この写真は何時頃?
わたし:7時前です。6時前のまだ暗いうちに快活クラブを出て、歩いて大神神社に向かいます。
なぎさ:電車あるでしょー。
わたし:あるけどさー。
なぎさ:なるほどー。自転車があればよかったねー。
わたし:それなー。ま、2時間くらい歩きました。写真のような古い街道を眺めながら歩くのはいい気分でした。
向こうがたぶん三輪山で、手前が大和川です。
なぎさ:もしかして万葉集とか古事記とかに出て来る?
わたし:出て来ますね。
三輪山(みわやま)の山下(やました)響(とよ)み行く水の
水脈(みを)し絶えずは後(のち)も我が妻
大和川は初瀬川や竜田川を合わせた川ですから。
なぎさ:川になぞらえて愛を語るいい歌だね。
寒北斗君の指差す舳先向け
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