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大阪・飲み屋街の一角に、
『あなたがなりたいタマゴが、きっとある!』
という看板が出ている小店があった。
不思議に思いながら、専門学校生のタカミが入店すると、ガラーンとした何も無い六帖ほどの空間があるだけだった。
タカミが出ようとすると、奥から老人が出てきて、
『はい、いらっしゃい』
驚いたタカミが店内に戻り、
「玉子は何処にあるんですか?」
すると老人は笑顔で、壁を指し、
『まず選んでくださいな』
いつの間にかメニューが出ていた。
タクヤは、それを見ながら少し考えて、あるメニューを指定した。
『はい分かりました』
その直後、店内の照明が消えた。
まもなく照明がつくと、笑顔の老人が一個のタマゴを紙袋に入れて差し出した。
タカミは代金を払うと、外に出た。
直後、彼女の姿は消えた。
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