12人が本棚に入れています
本棚に追加
マチカがハッと気付き、顔を上げると、車内の乗客は彼女以外、皆無だった。
それだけでなく、走るバスの前方には、激しく噴火している山の火口が近付いていた。
驚いたマチカは運転手に、止めてー! と言おうと運転席に駆け付けた。
が、そこにいたのは大きなタマゴだった。
『このタマゴが運転してるの‥‥』
すると、そのタマゴが、
『マチカさーん、まだ死にたいですか?』
『ほっといてよ。関係ないでしょう!』
『だったら、このまま火口に突っ込みまーす』
『あー、それはダメよー! あたし熱いのキライだから』
マチカは必死でブレーキを踏もうとした。
が、間に合わず、バスは火口に落ちて行った。
次にマチカが気付くと、バスの周りは火の海だった。
『熱い‥‥熱い‥‥。どうしてこんな事に‥‥』
すると運転席のタマゴが、
『あたしも、このままだとニヌキになりそう‥‥。マチカさん、ニヌキ好きでしたっけ?』
『大キライ! 玉子焼き以外は食べないもん』
するとバスの天井が、熱で溶けて落ちてきた。
『分かった、もう死のうなんて考えないわー!』
しかし、そのまま天井は落ちてきた。
キャー!
最初のコメントを投稿しよう!