Qな『タマゴ』 ~5人のサムシング~

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 マチカがハッと気付き、顔を上げると、車内の乗客は彼女以外、皆無だった。  それだけでなく、走るバスの前方には、激しく噴火している山の火口が近付いていた。  驚いたマチカは運転手に、止めてー! と言おうと運転席に駆け付けた。 が、そこにいたのは大きなタマゴだった。 『このタマゴが運転してるの‥‥』  すると、そのタマゴが、 『マチカさーん、まだ死にたいですか?』 『ほっといてよ。関係ないでしょう!』 『だったら、このまま火口に突っ込みまーす』 『あー、それはダメよー! あたし熱いのキライだから』  マチカは必死でブレーキを踏もうとした。  が、間に合わず、バスは火口に落ちて行った。  次にマチカが気付くと、バスの周りは火の海だった。 『熱い‥‥熱い‥‥。どうしてこんな事に‥‥』  すると運転席のタマゴが、 『あたしも、このままだとニヌキになりそう‥‥。マチカさん、ニヌキ好きでしたっけ?』 『大キライ! 玉子焼き以外は食べないもん』  するとバスの天井が、熱で溶けて落ちてきた。 『分かった、もう死のうなんて考えないわー!』  しかし、そのまま天井は落ちてきた。  キャー!
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