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ここは宇宙に在る月の一角。
そこには、ついさっき到着した、日本製の着陸船が停まっていた。
やがて船内から一人の搭乗員Aが、宇宙服姿で出てきた。
すると後ろから搭乗員Bが来て、
『おい、何処へ行くんだ?』
『オレがいても、どうにもならん。とにかく君は修理をつづけてくれ』
『そうか‥‥。分かった』
搭乗員Bは、中へ戻って行った。
『ここが月面か‥‥。なーんか、不気味に暗いな‥‥』
搭乗員Aは、周りを見渡し、ゆっくり歩いて行った。
何処までも続く闇が、そこにあった。
やがて妙な場所が見えてきた。
ヘルメットの照明を向けると、それは温泉だった。
『へー‥‥月面に温泉があるとは‥‥』
ふと見て、さらに『あれ?』
それは、一個のタマゴだった。
『へー‥‥月面の温泉の、温泉タマゴとは‥‥』
乗組員Aは、そのタマゴを拾うと、船に戻って行った。
船内で持ち帰ったタマゴを保存ボックスにAは入れた。
そこへションボリしたBが入ってきて、
『やっぱりダメだ‥‥』
『無線もか?』
『ああ‥‥。万事休す‥‥だよ』
『そうか‥‥ダメか‥‥。ところで、これを見てくれ。温泉玉子だよ』
『へー‥‥月面に温泉や玉子があるとは‥‥それは、すごい発見だな‥‥!』
二人は、操縦席に戻ると、
『さっきのタマゴ、どんな味がするかな‥‥』
『あれを食べたら、良いアイディアが浮かぶかも‥‥。楽しみだよ‥‥』
すると、ドッカーン!というスゴイ音がした。
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