12人が本棚に入れています
本棚に追加
東京・中央区の一角に、
『あなたがなりたいタマゴ見付けろ!』
という看板が出ている小店があった。
不思議に思いながら、研修生シズカが入店すると、ガラーンとした何も無い六帖ほどの空間があるだけだった。
シズカが出ようとすると、奥から老人が出てきて、
『はい、いらっしゃい』
驚いたシズカが店内に戻り、
「玉子は何処にあるんですか?」
すると老人は笑顔で、壁を指し、
『まず選んでくださいな』
いつの間にかメニューが出てきた。
シズカは、それを見ながら少し考えて、あるメニューを指定した。
『はい分かりました』
その直後、店内の照明が消えた。
まもなく照明がつくと、笑顔の老人が1個のタマゴを紙袋に入れて差し出した。
シズカは代金を払うと、外に出た。
直後、彼女の姿は消えた。
最初のコメントを投稿しよう!