第1話 誕生日に捨てられた令嬢

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「えっ?! 待ってください! どこに行くのですか?!」  馬車は逃げるようにしてその場を離れ、やがてその姿も見えなくなった。  リーズは自分の置かれた状況がわからず、辺りをもう一度見回す。 (ここ……どこなの? 森?)  辺りは小鳥の鳴き声一つ聞こえない深い深い森の奥のようだった。  あまりの木の多さと大きさに日の光が遮られて少し薄暗い。  そんな状況の中でリーズは自分の置かれた状況について必死に考えようとするが、頭が混乱してそれどころではなかった。 (え? 私、置いて行かれてしまったの?)  リーズは恐れていることを心の中で思い浮かべたが、確かな情報ではないためその場にとどまることにした。
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