737人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっ?! 待ってください! どこに行くのですか?!」
馬車は逃げるようにしてその場を離れ、やがてその姿も見えなくなった。
リーズは自分の置かれた状況がわからず、辺りをもう一度見回す。
(ここ……どこなの? 森?)
辺りは小鳥の鳴き声一つ聞こえない深い深い森の奥のようだった。
あまりの木の多さと大きさに日の光が遮られて少し薄暗い。
そんな状況の中でリーズは自分の置かれた状況について必死に考えようとするが、頭が混乱してそれどころではなかった。
(え? 私、置いて行かれてしまったの?)
リーズは恐れていることを心の中で思い浮かべたが、確かな情報ではないためその場にとどまることにした。
最初のコメントを投稿しよう!