第2話 辺境の騎士に拾われる

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 全てを話し終えても実感がわかないからか、彼女から涙は一つも出なかった。 「そんなことが……」 「はい、でもよかったのかもしれません。このままでは家のみんなに迷惑をかけることになります。私がいなければ……」 「リーズ」 「は、はいっ!」 「その考えはやめなさい。必要とされない人なんかいない。皆誰かの大切な人なんだ」 「でも、私にはもう頼る人は……」  すると、二コラはリーズの手を優しく握って微笑みながら告げた。 「では、私の妻になりませんか?」 「……ほえ?」  リーズは頭が真っ白になってしまい、スープを落としそうになる。 「ちょうど父上に縁談を組まされるところだったのでね、私はまだやらなきゃいけないことがあるんだ」 「良いのですか? 私で」 「君が、いい」  そうしてそっとリーズのおでこに二コラの唇が触れる。  顔を赤くするリーズにふふっと少し意地悪な微笑みを見せる二コラだった。  こうして、リーズは二コラの妻となった──
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