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第3話 不思議な関係
「毎日俺に会いに来い」
その言葉にリオは思わず顔を赤くして唇をかみしめる。
リオの様子を見たフィルはくすっと笑ってリオから離れた。
「その反応、他の男の前でするなよ?」
「ほえ?」
「その間抜けな顔もやめろ」
リオのほうへと再度振り向くと、彼女の両のほっぺをぷにーっと引っ張って諫める。
「ほへほほへほほ!」
「なんて言ってるかわからん」
「ぷはっ! もうフィル王子やめてください、おもちゃじゃないんですから!」
「ふふ、おもちゃね、確かにそれもいいな」
「だからやめてくださいって!」
フィルはリオの言葉に半分ほど耳を貸しながらくすっと笑って窓際の椅子に座る。
あくびを一つしたあと、机の上にある分厚い本を開くと静かに読み始めた。
リオは胸の高鳴りがいまだに収まらず、その場から動けずにいる。
だがふと我に返ると、フィルに反論するように食って掛かった。
「言われなくても秘密が守られてるのか気になるので毎日でも来ます!」
「そうか」
(もう~! なんでさっきあんなこと言ってしれっとしてるの~!!!?)
そんなことを考えながら、フィルを監視するように目の前にどんと座る。
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