第4話 男としての意識

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「フィル様から今日はリオ王子が行きたいところがあると伺いました」 「え?」 (そんなこと言ってないけど……) 「どちらにご案内いたしましょうか? 後ほどフィル様は伺うと言っておりました」 (これはどこがいいんだ? でも私はフィル王子の自室しか知らない。じゃあ、そこでいっか) 「では、いつものフィル王子のお部屋でお願いできますか?」 「いつもの?」 (間違えた! 来たのはつい2回目ってことになってるんだ) 「いえっ! いつも、フィル王子がいらっしゃるというお部屋のほうにお願いします」 「ああ、かしこまりました。では、ご案内いたしますね」  リオは慌てて訂正をして、部屋へと案内をするメイドについていった。  相変わらず、廊下は豪華な調度品が数多くありそれらに身体を当てて落とさないようにするのに気をつける。  やがて、フィル王子の部屋へとたどり着いた。 「フィル王子は公務のあとに来られるとのことですので、少々お待ちください」 「ありがとうございます」  メイドはそっとドアを閉めると、自分の仕事へと戻っていった。  リオは何もすることがなく、いけないかもと思いつつもフィルの部屋の見学をさせてもらうことにした。 (本がたくさんある。物理学、宇宙に動物学。好きなのかな?)  本棚の横には小さなテーブルがあり、そこには美しい少女の写真が置いてあった。  その少女は10代後半で長いグレイの髪にサファイアブルーの目をしており、オレンジ色の綺麗なドレスを着て優しく微笑んでいる。 (綺麗な人……フィル王子の恋人なのかな?)  すると、リオは突然腕を引っ張られて横にあったベッドに押し倒される。
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