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(はぁ……ちょっと飲みすぎた)
リオはトラウド国王との食事を終えて帰宅するための馬車に向かおうと廊下を歩いていた。
(しかし、やはりトラウド国王の話は長いな)
食事会の小さな不満を心の中で呟きながら、足取りのおぼつかない様子で玄関へと向かう。
(あれ、こっちだったかな? 玄関はあっちか?)
無駄に広く入り組んだ廊下な上に、夜なのもあって薄暗く位置がうまくつかめなくなっていたリオは自分の居場所がわからなくなっていた。
千鳥足とまではいかないが、少しふらつく足で廊下を歩きながら出口を探すリオの景色は突然ぐらりと歪んだ。
「──っ!」
何者かに腕を引かれてリオは暗闇の部屋へと引き込まれてしまった──
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