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リオが帰った後のトラウド国、謁見の間では国王と王子フィルが側近たちを出払わせて二人だけで何やら話をしていた。
「うまくいっているのか?」
「はい、つつがなく進んでおります」
国王は豪華絢爛な椅子に座して、その長い足を組んでそっと天を仰いだあと、フィルに目を向けてにやりと笑った。
「リオ王子、いや。姫がお前になびくのも時間の問題だな」
「……」
「くくく、姫を手中に収めたその時、待っているのは……」
不敵な笑みを浮かべて浸る国王に一つお辞儀をすると、そっとフィルは謁見の間を退席した。
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