339人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
こうして隣国の外交担当になったリオは翌日早速、就任挨拶のため、隣国に向かっていた。
馬車に揺られること1時間ほど、隣国の宮殿へとたどり着いた。
リオの国の宮殿と隣国の宮殿は実はとても近く、すぐに到着することができる。
「久しぶりに来たな」
リオは5歳のときにここにきて以来の入国だった。
宮殿の入り口ではとても手厚い歓迎でもてなされ、隣国の王への謁見の場所へと案内される。
謁見の間はそれはそれは豪華で、シャンデリアがいくつもあり赤い絨毯が敷かれている。
奥の階段の上に王がおり、これまた大人の身長ほどの大きな椅子に腰かけていた。
リオは絨毯の上に跪き、王室の礼をする。
「リオ王子、よく来てくれた」
「お久しぶりでございます」
「ああ、幼い頃以来だな。立派になられたことだ」
「まだまだ精進が足りませぬ」
「今日は挨拶だけだと伺った。別室で食事を用意しているので、よかったら召し上がってくれ」
「ありがとうございます」
そういってリオは立ち上がり、メイドに促されるまま立ち上がって食事の間へと向かう。
長い廊下には豪華な美術品の数々が並んでおり、客人をもてなすように立ち並んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!