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第11話 両国友好の儀(2)
いよいよルーディアム国とトラウド国の友好の儀が執り行われることとなり、民衆は皆それぞれの国から会場に集っていた。
両国は隣国であり友好的な関係であったために、国民同士の交流や文化交流などは盛んにおこなわれている。
会場にはルーディアム国王ノエルと王子であるリオをはじめ、トラウド国王やフィル王子もいた。
(あ、いる)
リオは自分の向かいのほうに座っているフィルを見つけると、ドキリと胸を高鳴らせたと同時に先日言われた言葉を思い出す。
『お前が好きなんだ』
その言葉は友好の儀の準備の忙しさで忘れていたリオのときめきを思い出させた。
「リオ、どうした。顔を赤くして、熱でもあるのか?」
一見聞くとそれは国王が息子を気にかけるように見えるが、実際はノエルの並々ならぬリオへの心配する親心が溢れていた。
「少し緊張しているだけでございます」とリオはノエルに返答すると、一つ息を吐き出して自分を落ち着かせた。
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