第11話 両国友好の儀(2)

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 式典はつつがなく執り行われ、フィナーレのルーディアム国王とトラウド国の二国王演説が始まった。 「この度はトラウド国、そして我が国ルーディアム国の友好の儀を執り行うことができ、素晴らしい日となった。改めて協力いただいた皆様には厚くお礼申し上げる」  ルーディアム国の挨拶である胸に両手をかざしてお辞儀をした。  そしてトラウド国王はノエルの挨拶を終えたのを見ると、ゆっくりと語り始める。 「このような素晴らしい式典の準備を共におこなってくださったルーディアム国の皆様、ありがとうございます。この式典の指揮を執ったのはリオ王子と伺いました。さすがの力量でございます」  その言葉にリオは軽くトラウド国王に向かって礼をする。 「しかし、この中で嘘を吐いて欺こうとする野蛮な者たちが紛れ込んでおります」  トラウド国王の演説に両国の民衆たちはざわざわとしはじめ、あらかじめ聞いていた内容とも違うことでノエルとリオも戸惑いの表情を浮かべる。  わざとらしくマントをはためかせてトラウド国王は民衆に訴えかけるように一歩前に出て叫ぶ。 「このルーディアム国王ノエル、そしてリオ王子は民衆に嘘をついている。この国の王族は女しか生まれない呪いにかけられているのだっ! つまり、この二人は王でも王子でもない!! ただの二人の女たちだ!!!」  その言葉に民衆はいよいよざわめきたち、声をあげるものも出てきた。  にたりと笑いながらトラウド国王は演説を続ける。 「ルーディアム国王たちは極僅かな人間しか入れない『サンクチュアリ』なるものに引きこもり、そこで財を消費して贅沢三昧の日々っ! 王妃もただの用意された侍女であり、本当の婚姻ではなくノエルの伴侶は男だ!」  その演説を聞き、ノエルとリオは足が震えて目を見開き、顔の色を失っていく。
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