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「フィル王子の部屋の前に着いたけど、自分で確認してこいって、もうママったら……わっ!」
独り言の途中でリオは腕を引かれたと思うと、そのまま部屋に引き込まれる。
そしてある日の時のように壁に手をついて逃げられなくされると、銀色の髪が美しく光サファイアブルーの瞳がリオを捕らえた。
「フィル王子っ!」
「遅いっ!」
そう言ってフィルはリオの髪をなでるとゆっくりと口をつける。
「フィル王子っ!?」
「どうだ? 俺の妻になる覚悟はできたか?」
「え、その……急に言われても」
「ずいぶん時間はあったはずだぞ」
「でも私は王子で……」
「ノエル国王から聞いてないか? 合併するから俺が時期国王、そしてリオが時期王妃だ」
「え?!」
まさか国王まで決まっているとは思わず、目を見開くリオ。
「俺はお前がこの宮殿に最初に来たときから好きだった。あの時からずっと、ずっとお前だけを好きだった。俺の妻になってほしい」
(そんな前からずっと私を見てくれてたの?)
リオは俯くと次第に顔を赤くしてぼそりと口にする。
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