第2話 秘密の共有

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第2話 秘密の共有

(やばい……隣国の王子に女だとバレた!?) 「リオ王子ーー?! リオ王子ーーー?!」  さらに部屋の外ではリオを探すメイドの声が響く。  部屋には王子、外にはメイド。  すると、フィルがすたすたとリオのほうへと近寄ってくる。 (もう終わりだ……)  そうリオは心の中で思ったが、フィルはリオの腕を引っ張るとベッドの脇にあった机に彼女を隠す。  そして、自身はドアを開けるとメイドに話しかけた。 「リオ王子なら先程あちらのほうに行くのを見た」 「フィル様! かしこまりました、ありがとうございます!!」  メイドはフィルに深く一礼すると、そのまま足早にフィルの指したほうへと向かって行った。  部屋に沈黙が訪れたことにより、リオはようやく頭が回ってフィルが自分を助けてくれたことを理解した。  慌てて持っていた男装用の服に袖を通すと、机の裏からフィルの様子を伺うようにそっと出る。
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